監修:鈴鹿大学短期大学部 食物栄養学専攻
2018年の日本人の平均寿命は、男性が81.25歳(2017年81.09歳)、女性が87.32歳(同87.26歳)で過去最高となったことを厚生労働省が発表しています。平均寿命の長さを世界の国・地域と比較すると、日本は男性が3位、女性が2位であり、世界のなかでも健康水準の高い国であるといえます。
現在の日本人の死因は、1位が悪性新生物、2位が心疾患、3位が老衰、4位が脳血管疾患であり、このなかで生活習慣病と呼ばれている悪性新生物、心疾患、脳血管疾患は半数以上を占めています。国立がん研究センターは、健康習慣を実践することはがんのリスクを低下させると発表しており、厚生労働省は、生活習慣次第では疾病や死亡を回避できることから、生活習慣の改善により生活習慣病の発症を徹底して予防することが重要だとしています。
生活習慣病とは、食事や飲酒、喫煙、運動、ストレスなどの「生活習慣」が発症・進行の原因となっている病気の総称です。具体的な病名としては、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、肥満、心臓病、脳卒中などが挙げられます。
生活習慣病は、かつて成人病と呼ばれていました。しかし、これらの疾患が、実は子どものころからの生活習慣が原因のひとつであることがわかり、1996年になって生活習慣病と改称されました。
生活習慣病は今や健康長寿の最大の阻害要因と言われ、三健国保に加入のみなさんの保険料引き上げにも多大な影響を及ぼしています。
生活習慣病は、日々の生活習慣の乱れを第一段階として、半身の麻痺などの日常生活に支障が出る第5段階まで、段階的に進行していくとされています。
第一段階の不適切な生活習慣を続けると、やがて内臓脂肪型肥満となり、これが原因となって動脈硬化が進み、第4段階のように、心筋梗塞や脳梗塞、深刻な糖尿病の合併症などに進行するなど、命に関わる恐れがあります。これらは個人が日常生活の中での適度な運動、バランスの取れた食生活、禁煙を実践することによって予防することができるものです。